• No : 1477
  • 公開日時 : 2017/10/16 00:00
  • 更新日時 : 2019/04/26 18:11
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【ワーファリン】 Ⅷ‐16.4.ビタミンK剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐16.4.ビタミンK剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

〔薬効分類 316 ビタミンK剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を減弱する(ビタミンKによる拮抗作用)。【骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤の添付文書に 併用禁忌 の記載がある】


[併用時の注意]

<併用禁忌>

ビタミンK製剤を投与中の患者には本剤の効果が発現しないので、本剤と骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤(グラケー(R)カプセル15mg(エーザイ)等)は併用しないこと。

患者が本剤による治療を必要とする場合、本剤による治療を優先し、骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤の投与を中止すること。

ワルファリン療法中の患者が骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤を服用しないよう厳重な注意が必要である。

骨粗鬆症用剤とワルファリンの併用に関する調査の報告では、併用の可能性は決して低くないので注意する1,2)。他院、他科での処方薬の薬歴管理や十分な患者指導を行い、骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤が投与されないように十分な対策を施すことが必要である。

(骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤以外のビタミンK及びビタミンK含有製剤については次項参照)

 

[相互作用の機序]

ビタミンKは肝でのビタミンK依存性凝固因子産生に関与し、本剤の作用と拮抗する。

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)後藤 伸之ら: 薬剤疫学,    1,    125(1996)    WF-0961
2)武田 立守ら: 医薬ジャーナル,    33,    2565(1997)    WF-1070

 

 

 

 

〔薬効分類 316 ビタミンK剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を減弱する(ビタミンKによる拮抗作用)。


[併用時の注意]

本剤の作用に拮抗し、一般にビタミンKが本剤の作用を減弱する目的で使用される。

一方、ビタミンK含有製剤は、ビタミンKを多く含む食品と同様に、本剤投与の妨げになることを十分注意する。従って、ビタミン含有製剤でビタミンKが含有されていることを認識せずに使用する危険性があるため、注意すること。

併用はできる限り避けるべきだが、避けられない場合はビタミンKの含有量を考慮して量的に問題にならない程度に抑え、血液凝固能を十分に検査して投与する。

 

 

<本剤と骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤(グラケー(R)等)は、併用禁忌である>

[相互作用の機序]

ビタミンKは肝でのビタミンK依存性凝固因子産生に関与し、本剤の作用と拮抗する。

(参考)医療用医薬品でビタミンKを含有している製剤(ビタミンK単剤を除く)

フィトナジオン(ビタミンK1)含有製剤




[相互作用の事例]

<症例報告事例>1)【イントラリピッドよるワルファリンの作用減弱】

27才男性。短腸症候群で静脈栄養を施行していたが、上大静脈症候群を発症し、ストレプトキナーゼによる血栓溶解療法を施行した。治療は奏効し、続いてヘパリン持続静注、次いでワルファリン経口投与を開始した。しかし、退院後のプロトロンビン時間コントロールは不良で、ワルファリン必要量は1.0~15.0mg/日と変動した。この後、右下肢深部静脈血栓性静脈炎を発症し入院した。静脈栄養を施行し、ワルファリンは15mg/日を投与したが、プロトロンビン時間はわずかしか延長しなかった。抗凝固療法をヘパリン単独とし、ワルファリンを休薬した。その1週後、静脈栄養を中止し、ワルファリン静注を再開したところ、プロトロンビン時間は治療域に入った。ワルファリンは次第に必要量が減少し、退院時は2mg/日経口投与、現在は0.5mg/日経口投与で、プロトロンビン時間は治療域にある。静脈栄養に用いていたダイズ油乳化剤(イントラリピッド)に含有されるビタミンKで、ワルファリンの効果が減弱されていたと考えられた。(海外)

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Lutomski DM et al.: J. Parenter. Enter. Nutr.,    11,    316(1987)    WF-1472

【図表あり】