• No : 1461
  • 公開日時 : 2017/10/16 00:00
  • 更新日時 : 2019/05/07 18:19
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【ワーファリン】 Ⅷ‐13.5.肝疾患治療剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐13.5.肝疾患治療剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 625 抗ウイルス剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を減弱したとの報告がある。【リバビリンの添付文書に併用注意の記載がある】


[併用時の注意]

十分な情報で評価が確立するまで、一応の注意が必要である。

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。

 

 

[相互作用の機序]

不明。

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用減弱】

61才男性。大動脈弁置換術後にワルファリン療法を開始、INRは1.8~2.3に維持されていた。低純度の濃縮凍結乾燥第Ⅷ因子投与によりC型肝炎に感染し、C型肝炎ウイルスRNA陽性の活動型肝炎と診断、インターフェロンα-2b皮下注とリバビリン1200mg/日経口投与で1年間加療した。インターフェロンとリバビリンの投与開始直後、INRを治療域に維持するために必要なワルファリン量が、それまでの45mg/週から62.5mg/週となった。その後、ワルファリン必要量は57.5mg/週まで僅かに減少したが、インターフェロンとリバビリンの投与を終了した所、3週間でINRが2.2から3.4へと上昇した。このためワルファリンを47.5mg/週に減量した。インターフェロンはワルファリンの作用を増強するとの報告があるので、本症例はリバビリンによるワルファリンの作用減弱と考えられた。本症例で1年後にワルファリン投与量の変更なしにリバビリン1000mg/日の再投与試験を行ったところ、INRの低下を認めた。(海外)

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Schulman S: Ann. Pharmacother.,    36,    72(2002)    WF-1369

 

 

 

 

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 639 その他の生物学的製剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する可能性がある。

【インターフェロン-α、α-2b、αcon-1、β、β-1b、ペグインターフェロン-α-2bの添付文書に併用注意の記載がある】


[併用時の注意]

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。

また、インターフェロンによる肝機能改善により、本剤の肝での薬物代謝や血液凝固因子の生合成が促進され、見かけ上本剤の作用が減弱する可能性もある。

 

[相互作用の機序]

インターフェロンが本剤の肝薬物代謝酵素を阻害する可能性がある。

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】

52才女性。ワルファリン3.5mgと2.5mgを交替で隔日に投与されていた。慢性活動性肝炎のため、インターフェロンα600万単位を2週間連日投与し、以降は週3回投与した。インターフェロンα開始10日目、トロンボテスト値は27%から17%に低下し、ワルファリンの血中濃度は0.8μg/mLから5.2μg/mLに上昇していた。それ以外の4症例(インターフェロンβ、インターフェロンα-2b各2例)でも、ワルファリンの減量を必要とした。

 

<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】

(症例1)59才女性。ワルファリン5mg/日でINRは2.0~3.0であった。インターフェロンβ600万単位/日投与開始14日目、INRは4.24となり、ワルファリンを休薬した。


(症例2)17才男性。ワルファリン3mg/日でINRは1.5~2.5であった。インターフェロンβ600万単位(当初連日、後に隔日)投与開始36日目、INRが3.14となり、ワルファリンを一時2mg/日に減量した。


(症例3)65才女性。ワルファリン3.5mg/日でINRは1.5~2.5であった。インターフェロンβ600万単位/日の開始14日目、INRが3.16となった。ワルファリンを一時2mg/日に減量した。


(症例4)60才男性。ワルファリン3mg/日でINRは2.0~2.5であった。インターフェロンβ600万単位の隔日投与開始11日目、INRが3.19となり、一時ワルファリンを2mg/日投与とした。

いずれの症例も、インターフェロン投与終了後、ワルファリン必要量はインターフェロン投与前の用量に戻った。<2004年10月の第14回日本医療薬学会年会の学会抄録>

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Adachi Y et al.: Br. Med. J.,    311,    292(1995)    WF-0945
2)桜井 美由紀ら: 医療薬学,    30,    342(2004)    WF-1864 

【図表あり】