[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 112 催眠鎮静剤、抗不安剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある(一過性)。
【抱水クロラールの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
相互作用は生じないか、または生じたとしても臨床上問題にならない程度であると思われる。
併用を避ける必要はないが、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
[相互作用の機序]1,2)
抱水クロラールの代謝物であるトリクロロ酢酸が、本剤を血漿蛋白の結合部位から遊離させる。
しかし併用を続けると、血漿中で一過性に上昇した遊離形ワルファリン濃度は組織への再分布により緩和され、さらにワルファリンのクリアランスが不変であれば、いずれ新たな定常状態となり、投与前の値に回復する。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>2)【ワルファリンの作用の一過性の増強】
過去5年間の10,000例以上の患者について、ワルファリン及び抱水クロラール投与例を調査したところ、ワルファリン服用開始後4日間抱水クロラールを併用した患者の2~4日目の総ワルファリン投与量は、ワルファリン投与開始後4日間抱水クロラール投与を受けていない患者よりも有意に低かった。しかし、5日目以降のワルファリン投与量には差がなかった。(海外)
抱水クロラールとの相互作用は臨床上問題にならないとの報告もある。
<臨床研究報告>3,4)【相互作用なし】
10例に対しプロトロンビン時間が18~22秒となるようにワルファリンの用量設定を行い、この用量を変えずにワルファリンを12週連続投与した。第5~8週、抱水クロラール0.5g/日を併用した。第1~4週、第5~8週、第9~12週の平均プロトロンビン時間は各々18.9秒、19.3秒、19.2秒で、有意な変化はなかった。ワルファリンと抱水クロラールの併用は、臨床上有意な影響はないと思われた。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Edward M et al.: N. Engl. J. Med, 283, 827(1970) WF-1342
2)Boston Collaborative Drug Surveillance Program:N. Engl. J. Med., 286, 53(1972) WF-0833
3)Udall JA: Am. J. Cardiol., 35, 67(1975) WF-0726
4)Udall JA et al.: Ann. Intern. Med., 81, 341(1974) WF-0834
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 112 催眠鎮静剤、抗不安剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある(一過性)。
【トリクロホスナトリウムの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
相互作用は生じないか、または生じたとしても臨床上問題にならない程度であると思われる。
併用を避ける必要はないが、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
[相互作用の機序]1,2)
トリクロホスナトリウムの代謝物であるトリクロロ酢酸が、本剤を血漿蛋白の結合部位から遊離させる。
しかし併用を続けると、血漿中で一過性に上昇した遊離形ワルファリン濃度は組織への再分布により緩和され、さらにワルファリンのクリアランスが不変であれば、いずれ新たな定常状態となり、投与前の値に回復する(Ⅷ-2「抱水クロラール」の項参照)。
[相互作用の事例]
<臨床研究事例>3)【ワルファリンの作用増強】
健康成人男子7名にワルファリンを長期投与し、プロトロンビン時間を18~22秒の間に安定させた後、トリクロホス22mg/kgを毎晩経口投与したところ、プロトロンビン時間はトリクロホス投与前と比較し最大4.7±2.1秒と有意に延長した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Edward M et al.: N. Engl. J. Med, 283, 827(1970) WF-1342
2)Boston Collaborative Drug Surveillance Program:N. Engl. J. Med., 286, 53(1972) WF-0833
3)Sellers EM et al. : Clin. Pharmacol. Ther., 13, 911(1972) WF-0835