急性閉塞隅角緑内障は、素因を有する目に誘因が加わっております。素因は前房が浅く、前房隅角の狭いことで、誘因の一つは散瞳です。散瞳は、暗所や激しい感情変動のほか、抗コリン薬や交感神経作動薬などで起こります。(引用1)抗コリン薬などの投与により散瞳とともに前房隅角の閉塞が起こり、急激に眼圧が上昇し、症状を悪化させる可能性があるため禁忌としております。
インタビューフォームに、以下の記載がございます。(引用2)
2. 禁忌内容とその理由
2.3 本剤は、マウスを用いた動物実験において抗コリン作用は認められていない。ただし、臨床試験にあたっては、非ベンゾジアゼピン系薬剤の使用上の注意を参考として急性狭隅角緑内障(急性閉塞隅角緑内障と同義)の患者を除外して実施してきた背景があることから、安全性を考慮し、非ベンゾジアゼピン系薬剤の使用上の注意に準じて記載している。
なお、その他の緑内障に関しては、「開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障に抗コリン薬などの散瞳を起こす薬剤を使用しても、眼圧が急激に上昇することはない。」(引用1)と言われており、禁忌に設定されていません。
【引用】
1)日本医事新報 No.4500 2010年7月24日 P.95-96 [LUN-0085]
2)ルネスタ錠1mg・錠2mg・錠3mgインタビューフォーム 2022年9月改訂(第11版) VIII. 安全性(使用上の注意等)に関する項目 2. 禁忌内容とその理由2.3
【更新年月】
2022年12月