頓服薬は1回の処方で何錠お渡しできるか、療養担当規則に規定されていません。(引用1)
そのため、具体的な錠数については各地区の審査機関の判断になります。
安全性についての注意点としては、本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うようお願いします。(引用2、3)
安易な薬剤の服用は薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)を誘発する可能性があります。
【関連情報】
「トリプタンは頓用薬であり、著者は1回の処方で6回分(6錠ないし12錠)を頓用処方している」という記載がされている文献があります。(引用3)
ただし、具体的な錠数については各地区の審査機関の判断になります。
「頭痛の診療ガイドライン2021」には、薬剤毎の服用日数基準に関して以下の記載があります。(引用4)
VI薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH*)
(1)CQ VI-1薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)はどのように診断するか
薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)における服薬日数(ICHD-3**)
8.2「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)」 服薬日数
8.2.2「トリプタン乱用頭痛」 服薬日数:1ヵ月に10日以上
(2)CQ VI-1薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)はどのように診断するか
8.2「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)」の診断基準(ICHD-3)
A.以前から頭痛疾患をもつ患者において、頭痛は1ヵ月に15日以上存在する。
B.1種類以上の急性期または対症的頭痛治療薬を3ヵ月を超えて定期的に乱用***している。
C.ほかに最適なICHD-3の診断がない。
*MOH;Medication-overuse headache:薬剤の使用過多による頭痛
**ICHD-3(International Classification of Headache Disorders 3rd Edition):国際頭痛分類第3版
***「トリプタン乱用頭痛」 服薬日数:1ヵ月に10日以上
【引用】
1)療養担当規則(保険医療機関及び保険医療養担当規則)
elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332M50000100015 (最終閲覧日:2023年2月1日)
2)マクサルト錠10mg・RPD錠10mg電子添文2020年7月改訂(第1版) 8.重要な基本的注意 8.3
3)間中信也:診断と治療 90(6),p863(2002)[ZZZ-1247]
4)監修 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 頭痛の診療ガイドライン2021.医学書院.p348‐349[ZZZ-1243]
【更新年月】
2024年2月