• No : 790
  • 公開日時 : 2018/07/20 00:00
  • 更新日時 : 2023/05/18 19:45
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【イオメロン】 腎機能障害の患者に関する注意事項について教えてください。

【イオメロン】 
 
腎機能障害の患者に関する注意事項について教えてください。
 
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回答

電子添文及びインタビューフォームには、腎機能障害のある患者への投与に関する以下の記載があります。
 
■特定の背景を有する患者に関する注意
(1)重篤な腎障害のある患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。造影剤の主要排泄経路は腎臓であり、排泄遅延と腎機能を悪化させることがある。[8.6、9.8、11.1.11、16.6.1参照](引用1、2)
 
(2)腎機能が低下している患者
腎機能が悪化するおそれがある。[8.6、9.8、11.1.11、16.6.1参照](引用3、4)
 
■薬物動態
腎機能の正常な健康成人(GFR)>100mL/min/1.73m2)6例、軽度(GFR)51-75mL/min/1.73m2)6例、中等度(GFR)26-50mL/min/1.73m2)6例、及び重度腎機能障害患者(GFR)<25mL/min/1.73m2)4例にイオメプロール400mgI/mLを50mL単回静脈内投与し、血漿中、尿中イオメプロール濃度を測定した。
イオメプロール投与後の血漿中イオメプロール濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった。腎機能障害患者では、健康成人と比較して腎機能障害の程度が高くなるとともに、消失半減期(t1/2β)が延長し、腎クリアランス及び糸球体ろ過率の低下が認められた。また、投与120時間後までの尿中排泄率も同様に腎機能障害の程度が高くなるとともに低下し、健康成人の93.5%と比較して重度の腎機能障害患者では68.3%と低下した。なお、軽度及び中等度の腎機能障害患者の尿中排泄率は、それぞれ90.4%及び85.1%であり、重度の腎機能障害患者ほど大きな低下は認められなかった(外国人データ)。[9.2.1、9.2.2参照](引用5、6、7)
 
注)イヌリンクリアランス測定法による。
注:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
 
【関連情報】
(解説)
ヨード造影剤の主要排泄経路は腎臓であり、腎機能が低下している患者においては、排泄遅延により急性腎障害を発症し腎不全を生じる等、症状が悪化するおそれがある。特に重篤な腎障害のある患者においては腎機能が悪化するリスクが高いため、診断上やむを得ないと判断される場合を除き投与すべきではない。腎機能が低下している患者に造影剤を投与する場合は、腎毒性を有する薬剤投与を中止し、造影剤の投与量は最小限とする。また、造影剤投与前から造影剤が体外へ排泄されるまで適切な補液を行うなどの対策を行う必要がある。(引用8)
 

【引用】
1)イオメロン300注20mL・300注50mL・300注100mL・350注20mL・350注50mL・350注100mL・400注50mL・400注100mL電子添文 2022年7月改訂(第2版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.1重篤な腎障害のある患者
2)イオメロン300注シリンジ50mL・300注シリンジ75mL・300注シリンジ100mL・350注シリンジ50mL・350注シリンジ75mL・350注シリンジ100mL・350注シリンジ135mL電子添文 2022年7月改訂(第2版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.1重篤な腎障害のある患者
3)イオメロン300注20mL・300注50mL・300注100mL・350注20mL・350注50mL・350注100mL・400注50mL・400注100mL電子添文 2022年7月改訂(第2版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.2腎機能が低下している患者
4)イオメロン300注シリンジ50mL・300注シリンジ75mL・300注シリンジ100mL・350注シリンジ50mL・350注シリンジ75mL・350注シリンジ100mL・350注シリンジ135mL電子添文 2022年7月改訂(第2版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.2腎機能障害患者 9.2.2腎機能が低下している患者
5)イオメロン300注20mL・300注50mL・300注100mL・350注20mL・350注50mL・350注100mL・400注50mL・400注100mL電子添文 2022年7月改訂(第2版) 16.薬物動態 16.6特定の背景を有する患者 16.6.1腎機能障害患者
6)イオメロン300注シリンジ50mL・300注シリンジ75mL・300注シリンジ100mL・350注シリンジ50mL・350注シリンジ75mL・350注シリンジ100mL・350注シリンジ135mL電子添文 2022年7月改訂(第2版) 16.薬物動態 16.6特定の背景を有する患者 16.6.1腎機能障害患者
7)Lorusso V. et al.:Invest. Radiol.36,p309-316,2001[IOM-0269]
8)イオメロン300注20mL・300注50mL・300注100mL・350注20mL・350注50mL・350注100mL・400注50mL・400注100mL・300注シリンジ50mL・300注シリンジ75mL・300注シリンジ100mL・350注シリンジ50mL・350注シリンジ75mL・350注シリンジ100mL・350注シリンジ135mLインタビューフォーム 2022年7月改訂(第15版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (2)腎機能障害患者
 
【更新年月】
2023年5月