• No : 18515
  • 公開日時 : 2023/06/04 13:25
  • 更新日時 : 2025/03/07 14:35
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【メチコバール・錠・細粒】 胃切除・胃全摘された患者に投与できますか?

【メチコバール・錠・細粒】 
 
胃切除・胃全摘された患者に投与できますか?
 
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回答

メチコバール錠・細粒の電子添文には、胃切除の方に対する特別な注意喚起は記載されておりません。(引用1)
なお、食事中に含まれる微量なビタミンB12の吸収には胃の壁細胞から分泌される内因子が必要とされていますが、大量投与では内因子とは無関係に濃度勾配により吸収されるとの報告があります。(引用2)
 
胃全摘後のビタミンB12欠乏に伴う末梢神経障害症状に対してメチコバール錠の投与を検討した症例報告があります。(引用3)
胃悪性腫瘍により胃全摘を受けた後にビタミンB12欠乏症状が発現した23例にメチコバール錠750μg/日を投与した結果、6ヵ月後の血中ビタミンB12レベルが上昇し(p<0.05, Student’s t検定)、下肢の疲れ、冷え、しびれ、全身倦怠感、ふらつきなどの自覚症状が改善したと記載されております。なお、文献にはp値・統計学的手法の記載はありません。また、副作用についての記載はありません。投与にあたりましては電子添文の副作用の項をご確認ください。
 
※メチコバール錠・細粒の用法及び用量は以下の通りです。
 
6.用法及び用量(引用4)
<錠250μg>
通常、成人は1日6錠(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
 
<錠500μg>
通常、成人は1日3錠(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
 
<細粒0.1%>
通常、成人は1日3包(メコバラミンとして1日1,500μg)を3回に分けて経口投与する。
ただし、年齢及び症状により適宜増減する。
 
【関連情報】
■ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血に関して
メチコバール錠・細粒の効能又は効果は末梢神経障害です。ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血に対してはメチコバール注射液をご使用ください。(引用5、6)
補酵素型ビタミンB12剤であるハイコバールカプセルでは、ビタミンB12欠乏症の予防及び治療、巨赤芽球性貧血等の効能又は効果があります。(引用7)
 

【引用】
1)メチコバール錠250μg・錠500μg・細粒0.1%電子添文 2023年4月改訂(第1版)
2)織畑道宏ら:日本消化器外科学会雑誌,2001;439-444 [MBL-1140]
3)足立信也:日本外科系連合学会誌,2000;25(6):821-825 [MBL-1155]
4)メチコバール錠250μg・錠500μg・細粒0.1%電子添文 2023年4月改訂(第1版) 6.用法及び用量
5)メチコバール錠250μg・錠500μg・細粒0.1%電子添文 2023年4月改訂(第1版) 4.効能又は効果
6)メチコバール注射液500μg電子添文 2023年4月改訂(第1版) 4.効能又は効果
7)ハイコバールカプセル500μg電子添文 2022年12月改訂(第1版) 4.効能又は効果
 
【更新年月】
2025年3月
 

 
KW:胃切
KW:胃切