• No : 1774
  • 公開日時 : 2017/10/25 00:00
  • 更新日時 : 2017/10/26 11:57
  • 印刷

【ネオフィリン・錠・原末】 薬効薬理について教えてください。

【ネオフィリン・錠・原末】 

薬効薬理について教えてください。
カテゴリー : 

回答

[ネオフィリン錠100mg・原末共通]

1.心筋刺激作用

 本薬は、心筋を直接刺激し、心拍出量を増加させます。この効果は、摘出心筋で容易に認めることができます。心疾患患者では、本薬による静脈圧の低下を伴う心刺激作用により、心拍出量を増大させるため、うっ血性心不全に適しています。(①②③)

2.利尿作用

 本薬は、イヌの実験で尿量の増加とともにNa及びClの排泄も増加します。その作用機序は、心臓血管系の作用による腎血流の増加、腎糸球体濾過量の増加、腎尿細管におけるNa及びClの再吸収阻害等によります。(①④⑤⑥)

3.気管支拡張作用

 本薬は、摘出モルモット気管支筋の弛緩作用により気管支拡張作用を示します。この作用は喘息患者でも確認されています。また、閉塞性肺疾患患者の肺動脈圧の低下や呼吸機能の改善も認められています。(⑦⑧⑨)

4.作用機序

 本薬の有効成分であるアミノフィリン水和物は、テオフィリン2分子とエチレンジアミン1分子の塩であり、体内ではテオフィリンとして存在します。

 テオフィリンの作用機序としては、フォスフォジエステラーゼ阻害による細胞内c-AMP の増加、アデノシン受容体拮抗、細胞内Ca2+の分布調節等の説があります。(①⑩⑪)

(参考)

・ネオフィリン錠100mg 添付文書201212月改訂(第12版)【薬効薬理】

・ネオフィリン原末 添付文書201212月改訂(第12版)【薬効薬理】

 

 

 

 

 

文献請求番号

Rall, T.W. et al.

Basis Ther. 7th ed.,

 

589

(1985)

N-1231

Howarth, S. et al.

Clin.Sci.Mol.Med.,

6,

125

(1947)

N-0026

Rutherford, J.D. et al.

Am.J.Cardiol.,

48,

1071

(1981)

N-0777

Ludens, J.H. et al.

Clin.Res.,

14,

447

(1966)

N-0133

Ludens, J.H. et al.

Arch.Int.Pharmacodyn.Ther.,

185,

274

(1970)

N-0134

Nechay, B.R.

J.Pharmacol.Exp.Ther.,

132,

339

(1961)

N-0136

Parker, J.M. et al.

J.Pharmacol.Exp.Ther.,

118,

359

(1956)

N-0079

Segal, M.S. et al.

J.Clin.Invest.,

28,

1190

(1949)

N-0092

Parker, J.O. et al.

Circulation,

35,

365

(1967)

N-0061

Hendeles, L. et al.

Pharmacotherapy,

3,

2

(1983)

TEO-0029

黒沢元博ら:

医学のあゆみ,

134,

1121

(1985)

N-1597

 

【図表あり】