[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 219 その他の循環器用薬〕
[相互作用の内容]
相互に抗凝固作用、出血傾向を増強する。【アルガトロバン、ダビガトランの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
本剤と抗トロンビン剤の薬理作用は異なるが、いずれも抗血栓作用を有し、相加的に作用を増強する。いずれも抗血栓療法として併用される機会が多い。
併用時は各種血液凝固能検査値の変動、出血などの症状に常時注意する。
抗トロンビン剤が併用されている場合、INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映できない可能性がある。
[相互作用の機序]
抗トロンビン剤のトロンビン阻害作用、血液凝固阻止作用、血栓生成抑制作用による。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【アルガトロバン、相互作用なし】
健康成人12名にワルファリン7.5mg単独単回経口投与、アルガトロバン1.25μg/kg/minの100hr定速静注開始4時間後にワルファリン7.5mg単回経口投与、アルガトロバン1.25μg/kg/minの100hr定速静注を行った。ワルファリンはアルガトロバンの体内薬物動態に有意な影響を与えなかった。また、ワルファリンの最高血漿中濃度、同到達時間、AUC0-104、半減期はS体、R体ともにアルガトロバンによる有意な影響を受けなかった。(海外)
<臨床研究報告>2)【アルガトロバンによるワルファリンの作用増強】
健康成人男子24名に対し、アルガトロバンは第1~8日は2μg/kg/分を9時~14時に持続静注、ワルファリンは第1日7.5mg、第2~10日は3~6mgを21時に投与し、第2日以降はワルファリンの用量を一定とした。第2~8日の毎日のアルガトロバン持続静注開始前、INRはISI=0.88の試薬で0.9~3.6、ISI=1.78の試薬で0.7~3.6であった。毎日のアルガトロバン2μg/kg/分の持続静注終了直前のINR最大値は、ISI=0.88の試薬で6.4、ISI=1.78の試薬で8.3であった。
なお、第Ⅹ因子活性はアルガトロバンの影響はなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Brown PM et al.: Am.J.Health-Syst.Pharm., 59, 2078(2002) WF-1458
2)Sheth SB et al.: Thromb. Haemost., 85, 435(2001) WF-2315