[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 232 消化性潰瘍用剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【オメプラゾールの添付文書に併用注意の記載がある】但し、コントロールされた臨床研究では否定的である。
[併用時の注意]
臨床上問題にならない程度と思われるが、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
[相互作用の機序]1)
オメプラゾールが薬理活性の弱いR-ワルファリンの代謝を阻害する。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【R-ワルファリンの血中濃度上昇】
安定した抗凝固療法を行っている患者28例にて、ワルファリンとオメプラゾールの相互作用を検討した。ワルファリンの血中濃度は、オメプラゾール併用時にR-ワルファリンで9.5%上昇したが、S-ワルファリンでは影響は認められなかった。またトロンボテスト値や血液凝固時間には影響を与えなかった。(海外)
<臨床研究報告>2)【R-ワルファリンの血中濃度上昇】
健康成人21名で、ワルファリン2.5mg/日とオメプラゾール20mg/日またはプラセボを2週間併用するクロスオーバー二重盲検試験を行い、相互作用を検討した。オメプラゾール併用時は、プラセボ併用時に比し血漿中のR-ワルファリン濃度が12%程度増加し、トロンボテスト値がやや下降(21.1から18.7%)したが、治療域内であった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Unge P: Br. J. Clin. Pharmacol., 34, 509(1992) WF-0794
2)Sutfin T. et al.: Ther. Drug Monit., 11, 176(1989) WF-0595
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 232 消化性潰瘍用剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強したとの報告がある。
[併用時の注意]
臨床上問題にならない程度と思われるが、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
67才男性。僧帽弁置換/バイパス術後、および心房細動による血栓予防目的にてワルファリン2mgの投与を開始し、特記事項なく1年以上経過していた。内視鏡検査後、ランソプラゾール30mgの投与を開始した1週後、INRが5.55に上昇しワルファリンを中止。2日後、ワルファリンを0.5mg/で再開。ワルファリン再開3日目、INRは4.22。ワルファリン再開4日目、ランソプラゾールをラベプラゾール10mgに変更。ラベプラゾール開始翌日、INRは3.44。ラベプラゾール開始9日目、INRは2.21でワルファリンを1mgに増量。その5日後、INRは2.18でワルファリンを1.5mgに増量。<2002年7月の医療薬学フォーラム2002の学会抄録>
<臨床研究報告>2)【相互作用なし】
健康成人男子24名に対しまずワルファリンを9日間投与して、プロトロンビン時間が16~18秒になる用量を設定した。次いで設定用量のワルファリン連続投与下に、ランソプラゾール60mg/日またはプラセボを7日間投与した。試験は二重盲検クロスオーバー法で実施し、ウォッシュアウト期は設けなかった。ランソプラゾールまたはプラセボの併用5~7日目、服薬前と服薬12時間後のプロトロンビン時間を測定した。プロトロンビン時間平均値はワルファリン+ランソプラゾール期の服薬前16.63秒、服薬12時間後16.95秒、ワルファリン+プラセボ期の服薬前16.41秒、服薬12時間後16.67秒であり、いずれも有意差はなかった。また、ワルファリンのS体、R体の薬物動態も、ランソプラゾールによる有意な変動はなかった。<1991年の米国消化器病学会の学会抄録>
【参考文献】 [文献請求番号]
1)宮村 重幸ら: 医療薬学フォーラム2002講演要旨集, 124(2002) WF-1412
2)Cavanaugh JH et al.: Gastroenterology, 100, A40(1991) WF-2311
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 232 消化性潰瘍用剤〕
[相互作用の内容]
本剤との相互作用はないと考えられる。
[併用時の注意]
特に注意する必要はないと思われる。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【相互作用なし】
健康成人男子20名にラベプラゾール20mg/日またはプラセボを7日間投与し、第8日にワルファリン0.75mg/kgを単回経口投与した。ラベプラゾールは、ワルファリンによるプロトロンビン時間-時間曲線下面積の増大、プロトロンビン時間延長の最大値、同到達時間に対し、有意な影響は与えなかった。<1996年の米国消化器病学会の学会抄録>
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Humphries TJ et al.: Gastroenterology, 110, A139(1996) WF-1889