• No : 1651
  • 公開日時 : 2017/10/19 00:00
  • 更新日時 : 2019/05/07 18:23
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【ワーファリン】 Ⅷ‐13.2.1)[プロトンポンプ阻害剤]消化性潰瘍用剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐13.2.1)[プロトンポンプ阻害剤]消化性潰瘍用剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 232 消化性潰瘍用剤〕

 

[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する可能性がある。【オメプラゾールの添付文書に併用注意の記載がある】但し、コントロールされた臨床研究では否定的である。

 

[併用時の注意]

臨床上問題にならない程度と思われるが、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。

 

[相互作用の機序]1)

オメプラゾールが薬理活性の弱いR-ワルファリンの代謝を阻害する。

 

[相互作用の事例]

<臨床研究報告>1)【R-ワルファリンの血中濃度上昇】

安定した抗凝固療法を行っている患者28例にて、ワルファリンとオメプラゾールの相互作用を検討した。ワルファリンの血中濃度は、オメプラゾール併用時にR-ワルファリンで9.5%上昇したが、S-ワルファリンでは影響は認められなかった。またトロンボテスト値や血液凝固時間には影響を与えなかった。(海外)

 

<臨床研究報告>2)【R-ワルファリンの血中濃度上昇】

健康成人21名で、ワルファリン2.5mg/日とオメプラゾール20mg/日またはプラセボを2週間併用するクロスオーバー二重盲検試験を行い、相互作用を検討した。オメプラゾール併用時は、プラセボ併用時に比し血漿中のR-ワルファリン濃度が12%程度増加し、トロンボテスト値がやや下降(21.1から18.7%)したが、治療域内であった。(海外)

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)Unge P: Br. J. Clin. Pharmacol.,    34,    509(1992)    WF-0794

2)Sutfin T. et al.: Ther. Drug Monit.,    11,    176(1989)    WF-0595

 

 

 

 

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 232 消化性潰瘍用剤〕

 

[相互作用の内容]

本剤の作用を増強したとの報告がある。

 

[併用時の注意]

臨床上問題にならない程度と思われるが、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。

 

[相互作用の機序]

不明。

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】

67才男性。僧帽弁置換/バイパス術後、および心房細動による血栓予防目的にてワルファリン2mgの投与を開始し、特記事項なく1年以上経過していた。内視鏡検査後、ランソプラゾール30mgの投与を開始した1週後、INRが5.55に上昇しワルファリンを中止。2日後、ワルファリンを0.5mg/で再開。ワルファリン再開3日目、INRは4.22。ワルファリン再開4日目、ランソプラゾールをラベプラゾール10mgに変更。ラベプラゾール開始翌日、INRは3.44。ラベプラゾール開始9日目、INRは2.21でワルファリンを1mgに増量。その5日後、INRは2.18でワルファリンを1.5mgに増量。<2002年7月の医療薬学フォーラム2002の学会抄録>

 

 

<臨床研究報告>2)【相互作用なし】

健康成人男子24名に対しまずワルファリンを9日間投与して、プロトロンビン時間が16~18秒になる用量を設定した。次いで設定用量のワルファリン連続投与下に、ランソプラゾール60mg/日またはプラセボを7日間投与した。試験は二重盲検クロスオーバー法で実施し、ウォッシュアウト期は設けなかった。ランソプラゾールまたはプラセボの併用5~7日目、服薬前と服薬12時間後のプロトロンビン時間を測定した。プロトロンビン時間平均値はワルファリン+ランソプラゾール期の服薬前16.63秒、服薬12時間後16.95秒、ワルファリン+プラセボ期の服薬前16.41秒、服薬12時間後16.67秒であり、いずれも有意差はなかった。また、ワルファリンのS体、R体の薬物動態も、ランソプラゾールによる有意な変動はなかった。<1991年の米国消化器病学会の学会抄録>


 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)宮村 重幸ら: 医療薬学フォーラム2002講演要旨集,        124(2002)    WF-1412

2)Cavanaugh JH et al.: Gastroenterology,    100,    A40(1991)    WF-2311

 

 

 

 

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 232 消化性潰瘍用剤〕

 

[相互作用の内容]

本剤との相互作用はないと考えられる。

 

[併用時の注意]

特に注意する必要はないと思われる。

 

[相互作用の事例]

<臨床研究報告>1)【相互作用なし】

健康成人男子20名にラベプラゾール20mg/日またはプラセボを7日間投与し、第8日にワルファリン0.75mg/kgを単回経口投与した。ラベプラゾールは、ワルファリンによるプロトロンビン時間-時間曲線下面積の増大、プロトロンビン時間延長の最大値、同到達時間に対し、有意な影響は与えなかった。<1996年の米国消化器病学会の学会抄録>


 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Humphries TJ et al.: Gastroenterology,    110,    A139(1996)    WF-1889

【図表あり】