• No : 1647
  • 公開日時 : 2017/10/18 00:00
  • 更新日時 : 2019/04/25 17:55
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【ワーファリン】 Ⅷ‐9.[ACE阻害剤]血圧降下剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐9.[ACE阻害剤]血圧降下剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 214 血圧降下剤〕

 

[相互作用の内容]

本剤との相互作用はないと思われる。

 

[併用時の注意]

特別警戒する必要はないと思われる。

 

[相互作用の事例]

<臨床研究報告>1)【ベナゼプリルによるワルファリンの作用減弱】

健康成人男子10名に、プロトロンビン時間が投与前値より3~5秒延長するようにワルファリン(ラセミ体)を連続投与した。次いで維持用量ワルファリンとベナゼプリル20mg/日を7日間併用した。プロトロンビン時間、トロンボテスト時間はベナゼプリルにより僅かだが有意に短縮し、ベナゼプリル投与終了後も、併用開始前に比しプロトロンビン時間は有意に短縮したままで推移した。ワルファリンの血漿中濃度は、ベナゼプリルによる有意な変動は示さなかった。(海外)

 

<臨床研究報告>2)【エナラプリル、相互作用なし】

ワルファリン2.5~7.5mg/日を投与した10例において、エナラプリル20mg/日を5日間併用した際、ワルファリンの抗凝固効果に対する影響は認められなかった。(海外)

 

<臨床研究報告>3)【テモカプリルによるワルファリンの作用減弱】

健康成人24名にINR1.4~1.8を目標にワルファリンを連続投与した。次いでテモカプリル20mgまたはプラセボを2週間、ワルファリンと同時に投与した。試験はクロスオーバー法にて実施した。ワルファリンの最高血漿中濃度、AUC0-24には、プラセボ期末とテモカプリル期末で有意差はなかった。ワルファリン投与後のINR最大値、INR-時間曲線下面積0-24は何れもテモカプリル期で減少する傾向(p<0.1)であったが、臨床的に同等とみなし得る範囲(20%以内の変動)であった。部分トロンボプラスチン時間には、テモカプリル併用の影響は認められなかった。(海外)


 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)van Hecken A et al.: Int. J. Clin. Pharmacol. Res.,    8,    315(1988)    WF-0876

2)Gomez HJ et al.: Drugs,    30(S-1),    13(1985)    WF-2041

3)Lankhaar G et al.: Clin. Drug Invest.,    17,    399(1999)    WF-2043

【図表あり】