[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 212 不整脈用剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強もしくは減弱する可能性がある。
[併用時の注意]
特別警戒する必要はないと思われる。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
58才男性。急性心筋梗塞後に頻脈を来たしジソピラミド、ワルファリン、利尿剤等を服用しはじめた。服用後1ヵ月ほどして, ジソピラミドの副作用(低血圧)が発現した。ジソピラミド投与を中止したところ、ジソピラミド併用時のプロトロンビン時間を維持するにはワルファリンの増量が必要となった。(海外)
<臨床研究報告>2)【ワルファリンの作用減弱】
心房細動でワルファリンを服用している3例にジソピラミドを投与した。3例中2例でトロンボテストを治療域に維持するのに要したワルファリン必要量が増加した。残る1例では、ワルファリン必要量は不変であった。(海外)
<臨床研究報告>3)【ワルファリンの作用減弱】
心房細動患者10例にワルファリン10mgを単独またはジソピラミド併用にて投与した。ジソピラミドによりワルファリンの最高血漿中濃度到達時間は有意に延長し、消失半減期は有意に短縮した。AUC0-24はジソピラミド併用による有意な変化は示さなかった。一方、BCR(British Corrected Ratio)を2~3に維持する際の定常状態ワルファリンクリアランスは、ジソピラミドにより有意に上昇した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Haworth E et al.: Br. Med. J., 2, 866(1977) WF-0655
2)Sylven C et al.: Br. Med. J., 286, 1181(1983) WF-0653
3)Woo KS et al.: Circulation, 76(S-4), 4-520(1987) WF-2056