• No : 1607
  • 公開日時 : 2017/10/18 00:00
  • 更新日時 : 2019/05/15 17:51
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【ワーファリン】 Ⅷ‐4.[アリール酢酸系〔フェニル酢酸系〕解熱鎮痛消炎剤]との相互作用ジクロフェナクナトリウム (ボルタレン)(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐4.[アリール酢酸系〔フェニル酢酸系〕解熱鎮痛消炎剤]との相互作用ジクロフェナクナトリウム (ボルタレン)(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 114 解熱鎮痛消炎剤〕

[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する可能性がある。【ジクロフェナクの添付文書に併用注意の記載がある】

 

 

[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する可能性がある。【ジクロフェナクの添付文書に併用注意の記載がある】

 

[併用時の注意]

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。

ジクロフェナクによる消化管出血を助長する可能性にも留意すること。

 

[相互作用の機序]

ジクロフェナクの血小板凝集抑制作用による。

ジクロフェナクの副作用である消化管潰瘍・出血による出血傾向を助長する。

 

[相互作用の事例]

<臨床研究報告>1)【アセノクマロール、相互作用なし】

アセノクマロールによる安定した抗凝固療法を施行中の入院患者32例に対し、試験第1週は観察期とした後、第2週と第3週はジクロフェナク25mg 1日3回またはプラセボの投与期とし、クロスオーバー法にていずれかを1週ずつ投与した。第4週は再度観察期とした。試験期間中は毎日プロトロンビン時間を測定し、アセノクマロールの至適投与量を決定した。アセノクマロール平均1日投与量およびプロトロンビン活性平均値はいずれも、ジクロフェナクとプラセボの間に有意な違いは認められなかった。(海外)

 

<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】

75才女性。ワルファリン療法中に交通事故にて打撲、ジクロフェナク坐薬25mgが処方された。2~3日後、皮下出血と足の腫脹により入院した。INRは3.9、ヘモグロビンは8g/dLでワルファリンを中止した。INRは1.1へと低下した。<2002年11月の第3回日本クリニカルパス学会学術集会の学会抄録>

ジクロフェナク外用との相互作用も報告されている。


<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】

68才男性。ワルファリン投与中、ジクロフェナク1%ゲル4日間の使用で、INRが4.0に上昇した。(海外)


 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)Michot F et al.: J. Int. Med. Res.,    3,    153(1975)    WF-0843

2)上能伊公雄ら: 日本クリニカルパス学会誌,    4,    212(2002)    WF-1529

3)Chan TYK: Int. J. Clin. Pharmacol. Ther.,    36,    403(1998)    WF-2084

【図表あり】