定期的に血圧測定を行い、高血圧(収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上)が認められた場合は、症状に応じて適切な処置を行ってください。高血圧クリーゼが現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。また、必要に応じて専門医へご相談ください。
対策
●本剤投与前に血圧が140mmHg/90mmHg以下で管理できていることを確認してください。血圧を自宅で毎日測定し、自宅で高血圧(収縮期血圧140mmHg/拡張期血圧90mmHg以上)が認められた時には、直ちに医療機関に連絡し、来院するよう指導してください。
●高血圧(収縮期血圧140mmHg/拡張期血圧90mmHg以上)が認められたときは、下記の処置を検討してください。
・ 降圧療法を受けていない患者様については、レンバチニブの投与を継続し、降圧療法を開始する。
・ 降圧剤を服用している患者様については、適切ならば現在の用量を増量するか、別の種類の降圧剤を1剤又は複数追加する。
・ 最大限の降圧治療にも係らず収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧100mmHg以上が継続する場合、本剤の投与を中断する。収縮期血圧150mmHg以下及び拡張期血圧95mmHg以下、かつ使用した降圧剤が少なくとも48時間一定用量の場合にのみ、1段階減量して再開する。
●高血圧の処置後しばらくして再び血圧が上昇することがあるので、血圧が上昇した場合、適切ならば現在の降圧剤の用量を増量するか、別の種類の降圧剤を1剤又は複数追加を検討してください。(引用1)
その他の注意事項
本剤投与後に高血圧に対する治療を開始又は追加した場合、他の有害事象によって本剤を休薬、減量する際には血圧が下がり過ぎていないかを確認し、適切に降圧治療の変更を検討してください。(引用1)
[参考] 国際共同第III相試験(304試験,REFLECT)における降圧剤の使用状況
国際共同第III相試験(304試験,REFLECT)のレンバチニブ投与群における降圧剤の使用状況(レンバチニブ投与開始以前から併用している降圧剤を含む)は以下のとおりでした。(引用1)
・ 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」では、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、少量利尿薬、β遮断薬(含αβ遮断薬)を主要降圧薬としています。積極的適応、禁忌や慎重投与となる病態、合併症の有無に応じて適切な降圧薬を使用してください(表1)。なお、積極的適応のない場合の第一選択は、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬です。(図1)
・降圧薬治療の原則は、1日1回投与の薬物を低用量から開始し、増量時には、1日2回の投与も考慮します。降圧薬による副作用を回避し、降圧効果を高めるためには、適切な降圧薬の併用療法を考慮します。(図2)
副作用があらわれた場合は、「減量・休薬及び中止基準」を考慮して、本剤を減量、休薬又は中止してください。
【引用】
1) 【肝細胞癌】レンビマカプセル4mg適正にご使用いただくためのガイドブック II.注意いただきたい副作用とその対策 p19-23 (LEN1087CSG)
【更新年月】
2020年3月
【図表あり】
KW:カルシウム拮抗剤、Ca拮抗剤、ACE阻害剤、βブロッカー、利尿剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、ARB、左室肥大、心不全、頻脈、狭心症、心筋梗塞後、CKD、蛋白尿、脳血管障害慢性期、糖尿病、MetS、骨粗鬆症、誤嚥性肺炎、Ca拮抗剤、ACE阻害剤、βブロッカー、サイアザイド系利尿薬