[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 625 抗ウイルス剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。ホスアンプレナビルはアンプレナビルのプロドラッグである。
【ホスアンプレナビルの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]
アンプレナビルが本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)を競合的に阻害する。
[相互作用の事例]
文献的報告はない。
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 625 抗ウイルス剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【サキナビルメシル酸塩の添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]1)
サキナビルが本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害する。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
73才男性。高血圧症、心房細動、HIV陽性でニザチジン、ワルファリン、抗HIV薬を投与中の症例に、サキナビル1800mg/日を追加投与した。INRはサキナビル併用開始前には1.96~2.28で維持されていたが、サキナビル併用開始4週後には2.46へ、8週後には4.24へと上昇した。ワルファリンを20%減量したところ、INRは治療域に復した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Darlington MR et al.: Ann. Pharmacother., 31, 647(1997) WF-1301
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 625 抗ウイルス剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【リトナビル、ロピナビル・リトナビル配合剤の添付文書に併用注意の記載がある】
一方、臨床的には本剤の作用が減弱したとの報告がある。
[併用時の注意]
リトナビルによりS-ワルファリンのAUCが中等度に増大(1.5~3倍)、R-ワルファリンのAUCが中等度に増大~減少すると予測されると、リトナビルの米国添付文書に記載されている。
臨床的には本剤の作用が減弱したとの報告もあるので注意すること。
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]
リトナビルが本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)を阻害する。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
41才男性。HIV陽性、抗リン脂質抗体陽性の症例である。深部静脈血栓症と肺塞栓症を発症、ワルファリン10mg/日を投与してINRは2.4~3.0で安定していた。抗HIV薬をエファビレンツとアバカビルからリトナビル800mg/日+ネルフィナビル+コンビビルに変更したところ、INRは2.5から5日後には10.4へと上昇した。出血傾向はなかった。(海外)
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用減弱】
50才男性。抗HIV薬を服用中である。大動脈弁置換術後にワルファリンを5mg/日で開始し、プロトロンビン活性は25~35%に維持されていた。インジナビルを追加したが皮疹が出現し中止、プロトロンビン活性が上昇していたのでワルファリンを6.25mg/日に増量した。その後リトナビルを追加したところ、20日後にプロトロンビン活性が62%となり、ワルファリンを8.75mg/日に増量して安定したプロトロンビン活性を得た。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用減弱】
27才女性。ワルファリン12.5mg/日を投与してINRは2~3に安定していた。投与中の化学療法剤の内2剤を、リトナビルを含む3剤に変更したところ、INRが低下した。ワルファリンを24mg/日に増量した。リトナビル中止によりINRが3倍以上上昇した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Newshan G et al.: AIDS, 13, 1788(1999) WF-1227
2)Gatti G et al.: AIDS, 12, 825(1998) WF-1117
3)Knoell KR et al.: Ann. Pharmacother., 33, 1299(1998) WF-1151
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 625 抗ウイルス剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を減弱したとの報告がある。
[併用時の注意]
十分な情報で評価が確立するまで、一応の注意が必要である。
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用減弱】
50才男性。大動脈弁置換術後ワルファリン5 mg/日を服用し、プロトロンビン活性は25~35 %にあった。HIV陽性であり、従来からのジドブジン、ラミブジンにインジナビル2.4 g/日が追加された。その12日後に皮疹のためインジナビルを中止した。インジナビル中止後10、25日のプロトロンビン活性は53、43 %であったので、ワルファリン6.25mg/日に増量した。その後、リトナビル1.2 g/日が追加され、その6、10、15、20日後のプロトロンビン活性は、34、41、47、62 %であったので、ワルファリン8.75 mg/日に増量した。ワルファリン増量後5、9、18、24日のプロトロンビン活性は57、31、33、33 %であった。この間の患者の肝機能は安定していた。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Gatti G et al.: AIDS, 12, 825(1998) WF-1117