[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。【ナリジクス酸の添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
ナリジクス酸との相互作用は多く報告されている。
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]1)
ナリジクス酸が本剤を血漿蛋白から遊離させる。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
55才女性。ワルファリン11mg/日でプロトロンビン比は2.0前後に安定していた。尿路感染症のためナリジクス酸2g/日を投与した。プロトロンビン時間は45秒まで延長した。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
71才女性。ワルファリン2.5~5mg/日の投与でプロトロンビン時間は19~32秒に維持されていた。尿路感染症を発症したためナリジクス酸3g/日を投与した。10日後、プロトロンビン時間が60秒に延長し、両剤を中止した。7日後にプロトロンビン時間は21.2秒に回復した。(海外)
<基礎研究報告>1)【ワルファリンの作用増強】
ワルファリンの蛋白結合へのナリジクス酸の影響をin vitroで検討したところ、ワルファリンのアルブミン結合が47.5%減少した。臨床的には遊離ワルファリンを64~140%増加させると推定される。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Sellers EM et al.: Clin. Pharmacol. Ther., 11, 524(1970) WF-1315
2)Hoffbrand BI: Br. Med. J., 2, 666(1974) WF-0864
3)Leor J et al.: Ann. Intern. Med., 107, 601(1987) WF-1316