• No : 1496
  • 公開日時 : 2017/10/16 00:00
  • 更新日時 : 2019/04/26 18:08
  • 印刷

【ワーファリン】 Ⅷ‐28.2.ナリジクス酸との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐28.2.ナリジクス酸との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
カテゴリー : 

回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する。【ナリジクス酸の添付文書に併用注意の記載がある】


[併用時の注意]

ナリジクス酸との相互作用は多く報告されている。

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。

 

[相互作用の機序]1)

ナリジクス酸が本剤を血漿蛋白から遊離させる。

 

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】

55才女性。ワルファリン11mg/日でプロトロンビン比は2.0前後に安定していた。尿路感染症のためナリジクス酸2g/日を投与した。プロトロンビン時間は45秒まで延長した。(海外)

 

<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】

71才女性。ワルファリン2.5~5mg/日の投与でプロトロンビン時間は19~32秒に維持されていた。尿路感染症を発症したためナリジクス酸3g/日を投与した。10日後、プロトロンビン時間が60秒に延長し、両剤を中止した。7日後にプロトロンビン時間は21.2秒に回復した。(海外)

 

<基礎研究報告>1)【ワルファリンの作用増強】

ワルファリンの蛋白結合へのナリジクス酸の影響をin vitroで検討したところ、ワルファリンのアルブミン結合が47.5%減少した。臨床的には遊離ワルファリンを64~140%増加させると推定される。

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Sellers EM et al.: Clin. Pharmacol. Ther.,    11,    524(1970)    WF-1315
2)Hoffbrand BI: Br. Med. J.,    2,    666(1974)    WF-0864
3)Leor J et al.: Ann. Intern. Med.,    107,    601(1987)    WF-1316 

【図表あり】