[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 421 アルキル化剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強または減弱したとの報告がある。
[併用時の注意]
抗腫瘍薬は多剤併用による治療が行われるため、本剤の作用に対する影響を把握しにくい。他の抗腫瘍薬の影響なども考慮し、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
また、抗腫瘍用剤による副作用発生(骨髄障害など)にも注意し、出血症状をおこさないよう注意すること。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
74才女性。肺塞栓症でワルファリン5mg/日を服用していた。類表皮癌のためシクロホスファミド100mg/日を投与した。しかし、誤ってシクロホスファミドを450mg/日で3週間服用していることが判明した(シクロホスファミド極量は300mg)。この時点でプロトロンビン時間は23秒に延長していた。シクロホスファミド中止後も回復せず、さらに延長し、10日後には51秒になった。そのためビタミンKを投与したところ、翌日には11秒に回復した。(海外)
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
62才女性。乳癌のため乳房切除術を受けた。2年後に骨に転移した。患者は僧帽弁狭窄のためワルファリンの服用を開始した。以来、INRは2.02~2.80で安定していた。その後、シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシルによる化学療法を開始した。シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル療法の1サイクルが終了した時点ではINRが4.15~10に上昇したが、出血の徴候はなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Tashima CK: South. Med. J., 72, 633(1979) WF-0699
2)Malacarne P et al.: Recenti Prog. Med., 87, 135(1996) WF-1054
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 421 アルキル化剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強したとの報告がある。
[併用時の注意]
抗腫瘍薬は多剤併用による治療が行われるため、本剤の作用に対する影響を把握しにくい。他の抗腫瘍薬の影響なども考慮し、併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
また、抗腫瘍用剤による副作用発生(骨髄障害など)にも注意し、出血症状をおこさないよう注意すること。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)16才女性。悪性卵黄嚢腫瘍に左大腿静脈血栓症を合併、ワルファリン4mg/日でINRは安定していた。エトポシド100mg/m2、シスプラチン20mg/m2、イホスファミド+メスナ(アルキル化剤の毒性軽減薬)各3g/m2の順に点滴静注を行った。化学療法開始48時間後、INRが8.4に上昇した。
(症例2)61才女性。進行乳癌に腋窩静脈血栓症を合併、ワルファリン4mg/日を投与してINRは2.3であった。ドキソルビシン40mg/m2のボーラス静注後、イホスファミド5g/m2+メスナ1g/ m2の点滴静注を行った。化学療法開始48時間後、INRは7.5となった。ワルファリン中止でINRは1.3となった。化学療法施行5日後、ワルファリン10mg/日を投与したがINRは2未満であった。その5日後、ワルファリン4mg/日でINRは治療域となった。
(症例3)25才男性。後腹膜の悪性腫瘍切除後にワルファリン4mg/日を投与し、INRは2で安定していた。ドキソルビシン20mg/m2、ビンクリスチン2mgのボーラス静注に続き、イホスファミド9g/m2、メスナ10.5g/m2を点滴静注した。化学療法開始48時間後のINRは5.5で、ワルファリンを2日休薬した。その後ワルファリン4mg/日を投与し、3週後に再度化学療法を行った。INRは2.8から4.8へと上昇した。
(研究)ワルファリン非投与下にイホスファミドとメスナを投与した2例では、投与前後のINRは1.0で不変であった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Hall G et al.: Postgrad. Med. J., 66, 860(1990) WF-0546