• No : 1445
  • 公開日時 : 2017/10/13 00:00
  • 更新日時 : 2019/04/26 13:16
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【ワーファリン】 Ⅷ‐5.6.ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NaSSA)との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐5.6.ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NaSSA)との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 117 精神神経用剤〕


[相互作用の内容]

臨床上問題にならない程度と思われるが、本剤の作用を増強する可能性がある。【ミルタザピンの添付文書に併用注意の記載がある】

 

[併用時の注意]

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。

 

[相互作用の機序]

相手薬剤の投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血傾向が増強すると考えられる。

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>1-2)【ワルファリンの作用増強】

70才代男性、60才代から心房細動、糖尿病、ペースメーカー留置にて通院中、約10年前よりワルファリン3mg服用。「イライラ」「自分が自分でない感じ」を訴え、近医心療内科を受診、ミルタザピン投与開始。4日後、鼻出血にて救急受診。INR 7.93でミルタザピン開始13日前の1.21から急激な上昇でワルファリンとミルタザピン中止した。中止6日後、INR 1.00へと改善した。鼻出血は認めなかった。ワルファリン2mgで再開、ミルタザピンはタンドスピロンに変更した。その後イライラは改善し、INRも異常なく経過した。

 

<臨床研究報告>3)【抗うつ薬導入による出血リスクの上昇】

(Ⅷ-5「アミトリプチリン塩酸塩」の項参照(海外))

 

<臨床研究報告>4)【出血リスク上昇、抗うつ薬併用関連なし、SSRI併用関連あり】

(Ⅷ-5「アミトリプチリン塩酸塩」の項参照(海外))

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)西村 浩ら: 日本精神神経学会学術集会,     108,     S446 (2012)    WF-3746
2)西村 浩ら: 精神神経学雑誌,     117,     820 (2015)     WF-4338
3)Schelleman,H. et al.: PLoS ONE,     6,     1 (2011)    WF-4371
4)Cochran,K.A. et al.: Ther.Drug Monit.,     33,     433 (2011)    WF-3732

【図表あり】