• No : 1442
  • 公開日時 : 2017/10/13 00:00
  • 更新日時 : 2019/05/07 17:41
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【ワーファリン】 Ⅷ‐5.3.四環系抗うつ剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐5.3.四環系抗うつ剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 117 精神神経用剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を増強あるいは減弱したとの報告がある。



[併用時の注意]

報告が一様でなく、相互作用は明らかでない。

十分な情報で評価が確立するまで、一応の注意が必要である。

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。

 

 

[相互作用の機序]

不明。

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用の変動】

53才女性。心疾患に対しワルファリンを投与し、5mg/日でコントロールされていた。うつ症状が出現したため、ミアンセリン120mg/日の投与を開始した。しかし、投与により軽躁になるためミアンセリンの中止、再投与をくり返した。その間、プロトロンビン時間が不安定になった(数値不明)。(海外)

 

<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用減弱】

64才男性。肺動脈塞栓症と左心室瘤の治療のためワルファリン(2~3錠)、カプトプリルなどの投与を受けていた。ミアンセリンの投与を開始して1ヵ月、シンプラスチンテスト値が20%から40%へと上昇した。凝固能を治療域に戻すためにワルファリンを4~4.5錠に増量せざるを得なかった。(海外)

 

<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】

63才男性。2年前よりワルファリンを投与中であったが、躁うつ病で抑うつが強く、自殺の危険ありとして、抗うつ薬投与を開始した。ワルファリン8mg/日で過去6ヵ月間のプロトロンビン時間は安定しており、ミアンセリン投与開始前は20秒(British Standard Ratio=BSRで1.8)であった。ミアンセリン10mg/日の投与開始1週後、プロトロンビン時間が25秒(BSRで4.6)と、治療域を逸脱して延長した。ミアンセリンを中止し、プロトロンビン時間は治療域に復した。(海外)

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Shelley RK: Br. J. Psychiatr.,    45,    97(1984)    WF-0670
2)Anonymous: Bull. SADRAC,        1(1992)    WF-0762
3)Warwick HMC et al.: Br. J. Psychiatr.,    143,    308(1983)    WF-1722

【図表あり】