• No : 1412
  • 公開日時 : 2017/10/12 00:00
  • 更新日時 : 2021/03/08 11:31
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【ワーファリン】 V‐2.授乳婦への使用(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)

【ワーファリン】 
 
V‐2.授乳婦への使用(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)
 
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回答

ワルファリンはわずかであるが母乳中に移行する。

ワルファリン服用中の母親の母乳を与えられた児の報告を紹介する1)。母親は18才での初回妊娠で帝王切開にて出産した。児は在胎38週、体重2348gで出生し、全身状態は良好で生後40日まで母乳栄養のみで育った。母親は出産後8日から深部静脈血栓症の治療のためワルファリン(2mg/日)を開始し、1ヵ月後の母親のINRは1.72、ワルファリンの血中濃度は495.8ng/mL、ワルファリンの母乳中濃度は5.68 ng/mLであった。その児のワルファリンの血中濃度は5.86ng/mL、INR 0.92であり、臨床的には異常を認めなかった。

しかし、ワルファリンを服用している授乳婦において乳汁移行を検討したが、母乳中にワルファリンは検出されなかったとの報告がある2,3)。

相反する結果は検出感度によると考えられる。

 

ただし、新生児は元来ビタミンK欠乏状態であることや、母乳中のワルファリン濃度が低くても哺乳量は大量になるので、ワルファリン服用下の授乳は新生児の低プロトロンビン血症の誘因となる可能性はある。

ワルファリンを服用させている患者の授乳には注意をすべきであり、乳児の低プロトロンビン血症に注意し、必要に応じてビタミンKシロップの投与をすべきである。

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)壬生 真人ら: 小児科臨床,    51,    2156(1998)    WF-1122
2)Orme ML'E et al.: Br. Med. J.,    1,    1564(1977)    WF-0610
3)McKenna R et al.: J. Pediatr.,    103,    325(1983)    WF-0199

 

【更新年月】

2021年1月