電子添文には、臨床成績に関する以下の記載があります。
■有効性及び安全性に関する試験
<脳・脊髄造影>
(1)国内第II相試験(引用1、2)
承認用量で造影効果を判定し得た78例の有効率は、71.8%(56/78)であった。副作用は2.4%(2/84)に認められ、いずれも嘔気であった。
(2)国内第III相試験(引用3、4)
造影効果を判定し得た122例の有効率は、71.3%(87/122)であった。副作用は2.3%(3/130)に認められ、熱感・悪心、嘔吐、悪心各1例であった。
(3)国内第II/III相試験(引用5、6)
転移性脳腫瘍が疑われる患者を対象とした臨床試験において、本剤0.2mL/kg投与後さらに0.2mL/kgを追加投与した群のうち、診断能が初回投与後に比べ向上した症例は30.0%(21/70)であった。副作用は2.8%(2/72)に認められ、痙攣、熱感・嘔気各1例であった。[8.3参照]注
<軀幹部・四肢造影>
(4)国内第II相試験(引用7、8)
400例を対象とした用量設定試験(承認用量、その半量、及び倍量の3群)において、有効性評価対象392例のコントラスト増強効果を「著しく増強」「増強」「やや増強」「不変」「低下」「判定不能」の6段階で評価した時、「増強」以上と評価されたものは表1に示すとおりであった。なお、領域によっては本剤の効果に用量相関性は認められなかった。
また、診断能の向上性については、「著しく向上」「向上」「やや向上」「向上せず」「判定不能」の5段階で評価した時、「向上」以上であった328例における診断的意義の内訳は表2のとおりであった。
副作用は1.3%(5/397)に認められ、承認用量群において嘔気・嘔吐、じん麻疹各1例、承認倍量群において悪心1例、嘔気2例であった。
(5)国内第III相比較試験(引用9、10)
肝臓領域を対象としたガドペンテト酸ジメグルミンとの比較試験の総合評価(有効性)において、「著効」「有効」「やや有効」「無効」「判定不能」の5段階で評価した時、「有効」以上と評価されたものは表3に示すとおりで、本剤はガドペンテト酸ジメグルミンと同等性が検証された。ガドテリドール群(122例)において、副作用は認められなかった。
(6)国内第III相オープン試験(引用11、12)
175例を対象としたオープン試験において、有効性評価対象170例のコントラスト増強効果及び診断能の向上性を加味した総合評価(有効性)を「著効」「有効」「やや有効」「無効」「判定不能」の5段階で評価した時、「有効」以上と評価されたものは表4に示すとおりであった。副作用は3.5%(6/171)に認められ、嘔気2例、顔面潮紅・咳嗽、熱感、悪心、注射部位血管痛各1例であった。
注:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
なお、プロハンスの用法及び用量は以下の通りです。(引用13)
〈効能共通(腎臓造影を除く)〉
通常、成人には本剤0.2mL/kgを静脈内注射する。なお、転移性脳腫瘍が疑われる患者において0.2mL/kg初回投与後、腫瘍が検出されないか、または検出されても造影効果が不十分であった場合には、初回投与後30分以内に0.2mL/kgを追加投与することができる。
〈腎臓造影〉
成人には0.1mL/kgを静脈内注射する。
【引用】
1)プロハンス静注5mL・静注10mL・静注15mL・静注20mL・静注シリンジ13mL・静注シリンジ17mL電子添文 2022年5月改訂(第1版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.1国内第II相試験
2)吉川宏起ら:診療と新薬28(11),p1987-1999(1991)[PRO-0062]
3)プロハンス静注5mL・静注10mL・静注15mL・静注20mL・静注シリンジ13mL・静注シリンジ17mL電子添文 2022年5月改訂(第1版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.2国内第III相試験
4)吉川宏起ら:診療と新薬29(5),p1119-1137(1992)[PRO-0063]
5)プロハンス静注5mL・静注10mL・静注15mL・静注20mL・静注シリンジ13mL・静注シリンジ17mL電子添文 2022年5月改訂(第1版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.3国内第II/III相試験
6)興梠征典ら:診療と新薬31(8),p1361-1376(1994)[PRO-0069]
7)プロハンス静注5mL・静注10mL・静注15mL・静注20mL・静注シリンジ13mL・静注シリンジ17mL電子添文 2022年5月改訂(第1版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.4国内第II相試験
8)内藤博昭ら:診療と新薬32(4),p715-737(1995)[PRO-0084]
9)プロハンス静注5mL・静注10mL・静注15mL・静注20mL・静注シリンジ13mL・静注シリンジ17mL電子添文 2022年5月改訂(第1版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.5国内第III相比較試験
10)廣橋伸治ら:診療と新薬33(2),p233-245(1996)[PRO-0077]
11)プロハンス静注5mL・静注10mL・静注15mL・静注20mL・静注シリンジ13mL・静注シリンジ17mL電子添文 2022年5月改訂(第1版) 17.臨床成績 17.1有効性及び安全性に関する試験 17.1.6国内第III相オープン試験
12)内藤博昭ら:診療と新薬33(2),p217-232(1996)[PRO-0076]
13)プロハンス静注5mL・静注10mL・静注15mL・静注20mL・静注シリンジ13mL・静注シリンジ17mL電子添文 2022年5月改訂(第1版) 6. 用法及び用量
【更新年月】
2023年5月