電子添文及びインタビューフォームには、重要な基本的注意として以下の記載があります。
(1)心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行うこと。(引用1)
(2)片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。(引用2)
(3)本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。(引用3、4)
【関連情報】
(解説)
(1)本剤と同じ薬効分類に属する5-HT1B/1D受容体作動薬共通の注意事項として設定しました。
外国において、類剤で心血管系の基礎疾患がない患者で、心筋梗塞を誘発したとの報告があり、これらの患者には無症候性の心疾患患者が含まれていた可能性もあります。このため、心血管系の疾患が認められない患者においても、本剤投与後に心疾患が疑われた場合には、以後の投与を中止し、適切な処置を行ってください。(引用5)
(2)本剤と同じ薬効分類に属する5-HT1B/1D受容体作動薬共通の注意事項として設定しました。
本剤の副作用として傾眠及びめまいが報告されているため、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意してください。
国内で実施された臨床試験(承認時、使用成績調査)において、副作用として傾眠が37件(1.89%)報告されています。(引用5)
(3)薬剤の使用過多による頭痛について、国内症例の集積は少ないものの、海外電子添文の記載状況及びPMDAが実施したレセプト情報・特定健診等情報データベースによる処方実態調査結果について、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断されたため、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知に基づき設定しました(2019年6月)。本剤と同じ薬効分類に属する5-HT1B/1D受容体作動薬共通の注意事項として設定しました。(引用5)
【引用】
1)マクサルト錠10mg・RPD錠10mg電子添文 2020年7月改訂(第1版) 8.重要な基本的注意 8.1
2)マクサルト錠10mg・RPD錠10mg電子添文 2020年7月改訂(第1版) 8.重要な基本的注意 8.2
3)マクサルト錠10mg・RPD錠10mg電子添文 2020年7月改訂(第1版) 8.重要な基本的注意 8.3
4)Headache Classification Committee of the International Headache Society:Cephalalgia. 2018; 38: 1-211 [MAX-0184]
5)マクサルト錠10mg・RPD錠10mgインタビューフォーム 2020年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 5.重要な基本的注意とその理由
【更新年月】
2022年1月