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【トラベルミン】 授乳婦の方に投与する際の注意事項はありますか？
回答
トラベルミン配合錠あるいはトラベルミン注の電子添文には次の記載があります。
＊トラベルミン配合錠（引用1）
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。
〔 ジフェンヒドラミンは、動物実験（ラット）で乳汁中に移行することが認められている。〕（引用1）
＊トラベルミン注（引用2）
授乳しないことが望ましい。動物実験（ラット）で乳汁中に移行することが認められており（引用3）、ヒトでは哺乳中の児において昏睡が認められたとの報告がある（引用4）。
トラベルミンのもう一つの成分であるジプロフィリンについては、注射製剤の乳汁移行データ（関連情報参照）がありますが、経口剤のデータはありません。
【関連情報】
強心・喘息治療剤であるジプロフィリン注300mg「エーザイ」については、電子添文において授乳婦に対する注意の記載はありません。なお、インタビューフォームには以下の記載があります。（引用5）
授乳婦 20 名にジプロフィリン 8mg／kgを筋肉内投与したところ、乳汁／血清 濃度比は 2.08±0.52（Mean±S.D.）であった。（外国人のデータ）（引用6）
＊ジプロフィリン注300mg「エーザイ」
〈効能又は効果〉
気管支喘息、喘息性（様）気管支炎、うっ血性心不全
〈用法及び用量〉
ジプロフィリンとして、通常成人1回300～600mg（1～2管）を皮下、筋肉内または静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
厚生労働省が設置した「妊娠と薬情報センター」のホームページには、「授乳中に使用できると考えられる薬」の一覧があり、ここにはジフェンヒドラミン（トラベルミン）の記載があります。（引用7）
■授乳を避ける場合に、服用後どのくらいの時間を空ければ授乳を再開できるかについて
どのくらいの時間を空ければ授乳が再開できるかについて、詳細に検討された臨床試験データはございません。
一般に、消失半減期の5倍の時間を経過すると血中から消失したと見なされますが（引用8）、トラベルミン配合錠・注の薬物動態について検討を行っておりません。
【引用】
1）トラベルミン配合錠 電子添文2019年8月改訂（第10版） 使用上の注意 6．妊婦、産婦、授乳婦等への投与 （2）
2）トラベルミン注 電子添文 2021年3月改訂（第1版） 9． 特定の背景を有する患者に関する注意 9．6授乳婦
3）Dostal, L. A. et al.：J. Pharm. Sci., 1989；78（5）：423-426 ［T-0029］
4）Ratner, B.：J. Pediatr., 1947；30：583-602 ［T-0027］
5）ジプロフィリン注300mg インタビューフォーム2021年6月改訂（改訂第6版） VII．薬物動態に関する項目 5．分布（3）乳汁への移行性
6）Jarboe, C. H. et al.：J. Clin. Pharmacol., 1981；21（10）：405410 [DIP-0022]
7）妊娠と薬情報センター ママのためのお薬情報 授乳中に安全に使用できると考えられる薬
（最終閲覧日：2022年5月16日）
8）特集 知っておくと役に立つ小児科の知識 授乳中の女性に処方するときの注意点 水野克己：昭和学士会誌 73(4)， p301-306（2013） ［ZZZ-1241］
【作成年月】
2022年5月
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