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  • No : 1512
  • 公開日時 : 2017/10/17 00:00
  • 更新日時 : 2021/03/08 09:55
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【ワーファリン】 IX‐5.ワルファリン療法中の一般的な食事指導(特に納豆、緑黄色野菜)(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)

【ワーファリン】 
 
IX‐5.ワルファリン療法中の一般的な食事指導(特に納豆、緑黄色野菜)(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)
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回答

ワルファリン療法施行中は以下の食事指導を行う。

 

ワルファリンはビタミンKによって拮抗される。したがってビタミンKを多く含む食物の摂取によりワルファリンの効果が減弱する可能性があるので、これらの食物の摂取には注意を要する。

 


1.ビタミンKを多く含む食物としては、パセリ、メキャベツ、ホウレン草などの野菜があげられる1,2)(Ⅸ-1「各種食物、嗜好品のビタミンK含有量」の項参照)。動物実験においても、ワルファリンで低プロトロンビン血症をおこしたウサギにホウレン草抽出物を経口投与したところ、プロトロンビン時間の回復が認められた3)。


2.納豆による影響については、ワルファリンで抗凝固薬療法を行っている患者が納豆を摂取したところ、トロンボテスト値が上昇したとの報告がある4)。納豆は食生活上で特に欠かせない食物ではないので、抗凝固薬療法を実施中の患者には、禁止すべきである。


3.一方、緑黄色野菜などの摂取によるトロンボテスト値への影響については、ホウレン草とブロッコリーの各々250gを1度だけ、あるいは1週間連続して摂食した場合の臨床報告5)がある。それによると1度だけの摂食では治療域を逸脱するほどの影響はみられていないが、1週間連続して摂食するとトロンボテスト値が有意に上昇している。しかし、ホウレン草などの緑黄色野菜を禁止することは食生活上、また栄養学的にも問題なので、1日摂取量を過量にならない範囲で一定にすること、また一時的な大量摂取は避け、普通量をコンスタントに摂取するよう指導する。


4.食事中のビタミンK含量、トロンボテスト、及びワルファリン服用量の調査でビタミンKの1日最高摂取量0.25mgの時、トロンボテストに影響しなかった6)。

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)小高 要ら: 日本栄養・食糧学会誌,    39,    124(1986)    KY-0017
2)坂野 俊行ら: ビタミン,    62,    393(1988)    KTZ-0652
3)西山 辰美ら: 病院薬学,    7,    219(1981)    WF-0009
4)工藤 龍彦ら: 医学のあゆみ,    104,    36(1978)    WF-0005
5)Karlson B et al.: Acta Med. Scand.,    220,    347(1986)    WF-0488
6)臼杵 伸一郎ら: アルメイダ医報,    19,    294(1993)    WF-0944

【図表あり】
 
【更新年月】
2021年1月
 

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