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  • No : 1403
  • 公開日時 : 2017/10/12 00:00
  • 更新日時 : 2021/08/02 17:32
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【ワルファリン】 III-17.腎疾患患者への使用(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)

【ワルファリン】 
 
III-17.腎疾患患者への使用(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)
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回答

1.これまでの知見及び見解
 
1)腎疾患患者への投与
ワルファリンは体内からの排泄速度が遅いため腎障害があるとさらに排泄が遅延し、作用が長時間持続するので出血の危険が増大する可能性があるとの報告がある(引用1)。
従って腎疾患患者に投与するときは、通常より慎重に投与すること。
重篤な腎障害患者は投与禁忌に設定している。
 
2)腎障害による影響
ワルファリンは肝で代謝され、代謝物はほとんど活性を持たないため、腎障害による影響は少ないと報告されている。また、慢性腎不全時および加齢に伴う腎機能変化においても、ワルファリンの代謝への影響は認められなかったとの報告もある(引用2)。
 
3)血漿アルブミン量低下の影響
ネフローゼ症候群患者などの低アルブミン血症を生じている患者ではワルファリンが結合する血漿アルブミン量が低下して遊離形のワルファリン濃度が増加するため、ワルファリンの作用が増強する可能性があることと、その一方でワルファリンのクリアランスが上昇することによる減弱作用の2つの可能性がある(引用3)ため、注意すること。
 
4)血液透析中の出血傾向
血液透析中の患者では、透析時にヘパリン等の抗凝固薬も使用しているので、出血傾向が高まる可能性がある(引用4)。また、ワルファリンは血漿蛋白結合率が97%と高いため透析によりほとんど除去されないと予測されるが、血中遊離形ワルファリンが透析膜から除去され、血中濃度が変動することも考えられるので、頻回に血液凝固能検査を行うなど厳重な注意が必要である。
 
 
2.ガイドライン
「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」(引用5)では、脳梗塞(ステートメント)にて「心房細動に対するワルファリン治療は安易に行うべきではないが、有益と判断される場合にはPT-INR<2.0 に維持することが望ましい」としている。
 
 
【引用】
1)O'Reilly RA et al.: Thromb. Diathsis Haemorrh.1、1(1964)    WF-0036
2)Shetty HGM et al.: Clin.Pharmacokinetics、16、 238(1989)    WF-0667
3)Ganeval D et al.: Clin. Nephrol.、25、75(1986)    WF-0668
4)Biggers JA et al.: Nephron、18、109(1977)        WF-0930
5)「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」作成委員会:日本透析医学会雑誌、 44、337(2011) WF-4609
 
【更新年月】
2021年1月

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